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PASSIONEER


À la recherche du temps perdu— なぜ和裁は手縫いなのか —
縫い糸を解いて洗い張りし、再び一枚の反物の姿へと蘇った絹布 和裁が「手縫い」である、唯一無二の理由 和裁は、最初から「仕立て直し」を前提とした衣服です。 ミシンで縫えば、布に針跡が残り、解いた時にその傷は消えません。だからこそ、和裁の針は極限まで細く、しつけ糸さえも洋裁用に比べて繊細です。道具のすべてが、洋裁とは根本から異なります。 「布を傷つけず、再び反物の形に戻せるように縫う」。この思想こそが、仕立て直しを可能にしているのです。 1300年続く、生きたオートクチュール 反物から一人ひとりの体に合わせ、一針ずつ命を吹き込む。この技術は1300年以上前から続く、完成されたオートクチュールです。 今、本場フランスの名だたるメゾンでさえ、オートクチュール部門は既製服(プレタポルテ)の波に押され、その存続が危ぶまれています。しかし、和裁の世界はどうでしょう。 反物から仕立てる文化が続く限り、日本のオートクチュールは決して消えることのない、世界に類を見ない強固な技術なのです。 仕立て直しの出発点となる美しい絹の反物 「安さ」と「スピード」が奪う、衣服の未

Hamanaka Akiko
4月30日読了時間: 2分


永遠の絹:なぜ紬は一世紀続くように設計されたか
華奢な絹という誤解(デリケートさの神話) 「絹はデリケート」「ヴィンテージ着物は破れやすい」という不安を抱く方も多いはずです。 ここで、はっきりとお伝えします。 紬(つむぎ)は、日本の歴史において最も強く、最も丈夫な絹なのです。 サテンやクレープのような華やかな絹と違い、紬は元々、農家や職人が日常的に着用するために生まれました。贅沢品としてではなく、耐久性(ロンジェビティ)のために設計されています。 50年前の紬を現代風のダスターコートへ 紬の強さと「和裁」の秘密 A. 織りの秘密:日常に耐えるために生まれた織り 紬は、糸を先に染めてから織り上げる「先染め」の技法を用います。マットで控えめな質感は、日常の摩耗を自然に隠します。幾世代にもわたる日々の使用に耐えるよう織り込まれており、ファストファッションで見られるデリケートな生地とは真逆の存在です。 B. 命を吹き込む手縫い:「呼吸する縫い目」 現代のコートとして生き残る鍵は、日本の伝統的な縫製技術である 和裁 にあります。 あなたも気づいたように、縫い糸には意図的に小さな「たるみ」を持たせています

Hamanaka Akiko
2025年11月28日読了時間: 2分


古い着物がつなぐご縁。小さなサステナブルの輪「きものリレー」
人から人へ、想いをつなぐ。着物が新しい形で生まれ変わる、やさしい循環のプロジェクトが始まりました。名前は「きものリレー」。古い着物が人の手を渡りながら、新しい命を得るお話です。 人から人へ。着物が譲られます。 一枚の着物からはじまったリレー 古い着物を人からいただきました。その中の一枚を、生徒のひとりに仕立て直してお渡ししました。 すると、その生徒が自分の使っていた古い襦袢を「次に使ってください」と譲ってくれたのです。 その襦袢はまた、別の生徒のもとへ。 着物が人の手を渡りながら、想いとぬくもりをつないでいく。そんな小さな循環が、「きものリレー」のはじまりでした。 あるものを生かす、やさしい選択 「新しいものを買う」より、「あるものを活かす」。 着物は直して、譲って、また着られる——それは昔から日本人が大切にしてきた知恵であり、いま世界が求めるサステナブルな価値でもあります。 きものリレーでは、古い着物をただ再利用するのではなく、人の想いごと受け継ぐ“文化の循環”を目指しています。 Before → After 手を加えることで、新しい命を吹き込

Hamanaka Akiko
2025年10月10日読了時間: 2分
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