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PASSIONEER


À la recherche du temps perdu — 一生物とは
均一ではない糸が、かえって強さになる。 一生物とは。 思い切って買い物をするときにも、使われる言葉。 金額と品物の価値が釣り合っているかどうか、考える。その方程式が当てはまらない時がある。 時間の経過。思い出。歴史。 私が扱う紬。友禅とは異なる素朴な美しさ。 農閑期に売り物にならない屑繭を紡いで自分たちの衣服とした。素朴だが力強い、強い意志を持つ衣服。あまりに頑丈すぎて裏地を何度も取り換える羽目になる紬もある。 密度が高く、激しい農作業にも耐えうる織物。時間の経過がこれらの織物に価値を与える。自然物から産まれた織物は、時と共に人の手も加わり思い出となり、もはや価格とは異なる価値が生まれる。 柳宗悦は、これを「用の美」と呼んだ。使われることによって、初めて完成する美しさ。日常の道具が、使い込まれるほどに味わいを増していく。民藝の思想の核心にある考え方だ。 これは日本だけの感覚ではない。人類学者Igor Kopytoffは、これを「singularization(唯一無二化)」と呼んだ。祖母から受け継いだ銀食器、代々受け継がれる指輪。それらは、使われ

Hamanaka Akiko
3 日前読了時間: 2分
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