網干文様の絽名古屋帯|手描き絹の涼やかな夏帯
- Hamanaka Akiko

- 2024年9月9日
- 読了時間: 2分
更新日:10月23日
夏の空気を感じる、絹の絽地に手描きで描かれた網干文様(あぼしもんよう)の名古屋帯。網を干した形を意匠化した古典文様で、涼やかで風情ある印象を与えます。軽やかに風を通す絽の素材と、職人の筆が生み出すやさしい線。夏の装いに、さりげない品と粋を添えてくれる一枚です。

網干文様は、魚を捕るための網を干している形をモチーフにした古典柄です。「豊漁」「安定」「清らかさ」などの意味をもつ縁起の良い文様として、昔から夏の着物や帯によく使われてきました。
この名古屋帯は、絹の絽地に職人が一本一本、筆で描いた手描き染。細やかな筆致の中に、絽の透け感が重なり、まるで風が通り抜けるような印象です。
単衣や薄物に合わせると、季節感を感じながらも凛とした佇まいに。古典の意匠ながら、どこかモダンで、涼を運ぶ夏の定番帯です。


締めの言葉
夏の間、何度か手に取ったこの網干文様の絽名古屋帯。透ける絹の質感と手描きの線が、風の音や光のゆらぎまで映し出してくれたように思います。
季節が移ろい、少しずつ空気がやわらぐ今、この帯もしばらくお休みの時期を迎えます。
来年また、暑さの気配とともに取り出すその日まで。衣桁に掛けながら、絽の透け感とともに過ごした夏を思い返す時間も、着物を愛する楽しみのひとつです。
最後までお読みいただきありがとうございます。季節や帯の魅力を感じながら、着物を楽しむひとときをお届けできたら嬉しいです。
ご質問やご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。




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