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PASSIONEER


À la recherche du temps perdu — ミセス・ハリス、パリへ行く
『ミセス・ハリス、パリへ行く』 【ドレスは、夢を着る人のもとへ。】 映画を見た。 そこかしこに懐かしいパリの香りがして、夢を見ているようだった。 原作は、イギリス人作家ポール・ギャリコの小説。 ハリス夫人は、ロンドンで家政婦をしている。 かなりの売れっ子で、働き詰めの毎日。 ある日、働き先のお宅で、奥様が持つディオールのドレスに一目惚れする。 そして、自分もディオールのドレスを買おうと決意し、必死にお金を貯める。 やっとたどり着いたパリのディオールのメゾン。 ハリス夫人は、別世界に困惑する。 けれど、メゾンは夫人に魔法をかけてしまう。 コレクションでドレスを見たときの、夫人の表情は喜びにあふれている。 白衣のお針子たちに仮縫いをしてもらう姿は、微笑ましい。 サルトルの実存主義を愛読する、トップマヌカン。 素敵な侯爵にお茶に誘われ、恋する気持ちを思い出す。 侯爵は夫人に、寄宿舎時代の掃除婦「ミセス・モップ」を重ねていた。 ここは、切なかった。 ロマンチックなパリで、夫人は自分の存在意義を見つける。 世界に一枚しかない、オートクチュールのドレスを持つ

Hamanaka Akiko
10月22日読了時間: 2分


À la recherche du temps perdu — メゾンと、作業所
同じ場所を、メゾンと呼ぶか、作業所と呼ぶか。 見たのは、ずいぶん前のこと。 筋は、だいたい想像がつく。 主人公が、マダムとぶつかって、メゾンを飛び出す。 でも、きっと戻ってくる。 そうでないと、映画が終わってしまうから。(笑) それでも、ディオールのメゾンの中が映る。 それだけで、見る価値があった。 本物の手仕事がそこにある。 そして、マダムは文句なく格好いい。 フランス語では「メゾン」。 日本語では「作業所」。 働くところ。 同じ場所を指しているのに、随分と違う呼び名だと思った。 私がお稽古をした作業所は、余計なことは言わない。 ただ黙々と縫い続ける日々。 おしゃべりなんて存在しない。 和裁は、分業ではない。 最初から最後まで、自分が責任を持って一枚を仕上げる。 映画の中のメゾンは違って見えた。 一枚のドレスに、たくさんの縫い手が、同じフロアで関わっている。 まず、ここが一番違う。 和服はどうだろう。 摺箔、刺繍、染め。 それぞれが、それぞれの工房で仕上げる。 ふと思った。 皆が同じ空間で、一枚の着物を作ることができたら。 You may ne

Hamanaka Akiko
10月15日読了時間: 1分


À la recherche du temps perdu — 青いカフタンの仕立て屋
先日、配信サービスの画面に「おすすめ」と出てきたこの映画を、偶然見た。 予告編を見ると、手縫いの美しさに引き込まれた。 カフタンというものさえ知らなかった。 【『青いカフタンの仕立て屋』 予告編 地球の反対側で、同じ針を持つ人がいた。】 カフタン(Caftan / Kaftan)とは、中東やトルコ、北アフリカなどで古くから着られてきた、ゆったりとしたシルエットの長衣(民族衣装)のことらしい。なんと、着物に近い構造。親近感がグッと湧くというものだ。 衿周り、袖口、裾に豪華な手刺繍を施して、美しさを競うものらしい。その細かい手作業を見た時、繰り返し繰り返しリピートボタンを押していた。 映画の中で、昔気質の職人が悩む。 低価格で早く仕立ててほしいお客との間で葛藤する。 店と暮らしを守るために現実を見つめる妻。 100年持つような、後世に残せるような仕事をしたい夫。 そして、二人三脚で歩んできた夫婦の形が美しかった。 非常に心うつ場面が多く、カフタンの美しさと共に、自分の境遇と重なり、所々で共感を覚えた。手縫いの現状は世界中で同じなのかと悲しくもなり、

Hamanaka Akiko
10月8日読了時間: 2分
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