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PASSIONEER


À la recherche du temps perdu — 直線の生地に、曲線を教える
直線の生地に、少しずつ曲線を教えていく。 着物は直線裁ちだ。生地幅は約38cm、これを使用する。 combinaisonを作るにあたり、どうしても直線裁ちだけでは不都合が生じる。ドレープの美しさを感じてもらうためには、Aラインが理想的だし、身体の線にもなじむ。 マリリン・モンローのドレスが翻る有名な映画のワンシーン。あれほどには踊らないものの、軽い柔らかな生地は動くたびに身体に吸い付いて色っぽい曲線をえがく。 絹は身体に纏い、動いてこそ美しさを増す究極の素材だ。 直線の生地に、少しずつ曲線を教えていく。 反物幅は変えられないために、非常に型紙を置きにくい。それに、地の目を通して型紙を置かないと光が当たったときに生地の輝き方が異なるのが一目瞭然だ。洋装に反物が使えないのは以上の理由からだ。 とはいえ、胸元の見返し部分は必須でありレースをつけずに生地の美しさのみを表現するには和裁独特のフキの技術は外せない。  レースに頼らず、フキだけで生地の美しさを語らせる。...

Hamanaka Akiko
9月3日読了時間: 2分


À la recherche du temps perdu/なぜ直線裁ちの衣服は100年後も着られるのか
直線裁ちは、解体と再生を可能にする構造として2000年続いている。 和服は仕立て直しが前提の衣服である。家族が多かった時代、子供が成長すれば着物は解かれ、洗われ、再び仕立て直された。袖が傷めば、その部分を外し、別の布を組み合わせ、新たな衣服として生まれ変わる。この相互関係を延々と繋ぎ続ける構造こそが、直線裁の本質である。和裁の世界では繰り回しと呼ばれるこの営みは、限られた資源の中で絹という貴重な素材を慈しみ、継承するための合理的な方法であった。 直線裁の着物は、8枚の布から構成されている。これらの布は解いて洗うことで、再び元の反物の形へ戻ることができる。つまり、着物は完成された最終形ではなく、常に再構築される可能性を内包した構造体なのである。これは紬に限らず、柔らかものと呼ばれる染めの着物にも共通する。元来、着物は水洗いが可能であり、仕立て直しを繰り返すことを前提として存在している。 直線裁が2000年近く維持されてきた理由は、単なる伝統の継承ではない。それは合理性の結果である。反物という規格化された布を無駄なく使用し、誰の身体にも適応し、そして

Hamanaka Akiko
2月26日読了時間: 3分
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