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PASSIONEER


À la recherche du temps perdu/形態の必然/衣服が存在を始める瞬間
衣服の境界が閉じられた瞬間、存在が始まる。 衣服は、裁断された瞬間に生まれるのではない。縫われた瞬間でもない。形になったときでさえ、それはまだ完全には存在していない。 衣服が存在を始めるのは、動き出すことが可能になった瞬間である。 和裁において、その境界を決定する工程のひとつが「フキ出し」である。表地と裏地を合わせ、縁をわずかに調整しながら、針を進めてゆく。 このとき行われているのは単なる始末ではない。それは、二つの層が互いの位置を受け入れ、衣服としての輪郭を確定する作業である。 この工程によって、衣服の動きは決定される。 針は布を貫通するが、破壊はしない。絹糸は布を固定するが、拘束はしない。 すべては、将来解かれることを前提として行われている。 和裁の縫いは、常に可逆性を内包している。それゆえ、この瞬間は完成ではなく、存在の開始である。 フキに詰められるのは真綿である。繭玉をひとつひとつ手作業で広げ、一枚の層へとする。それを細く伸ばし、裾の内部に均等に置いてゆく。 真綿は空気を含み、呼吸する素材である。重さを支えると同時に、動きを妨げない。.

Hamanaka Akiko
3月5日読了時間: 2分


À la recherche du temps perdu / 緋色は、時間のかたちを変えて残る
緋色は老いない。 かたちを変えて、時間だけが残る。 曾祖母が宮中ではいていた緋色の袴。今は帯になっている。若すぎるこの色。 この緋色は曾祖母の生きた証。次の世代へ渡す時がくる。

Hamanaka Akiko
2月12日読了時間: 1分
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