À la recherche du temps perdu ― モンテ・クリスト伯
- Hamanaka Akiko

- 7月16日
- 読了時間: 2分

フランスにいたころはデッサンばかりしていた。毎日ものすごく。今から思えばそんなことは当たり前で。キュビスムを先導したピカソ、「泣く女」を見てるといたずら画に見えるかもしれない。でも、彼のデッサンは息をのむ、圧倒される。基礎がある。
マルセイユにいったとき。地中海を初めてみた。なんと美しく見えたことか。パリには海がないからマルセイユで空と海の境界線が消えた時、ただただ港に座って時を忘れていた。
遠くにChateau d’if が見えた。港の前にはちょうどカフェがあって、テラスに陣取って海を描いていた。周りの人たちが声をかけてくる。
「どこからきたの?」
「何を描いてるの?みせて」
エスプレッソ1杯でテラス席に居座るほど度胸はなくて、
「なにか甘いものある?」 「Tarte au citron. 最高におススメ、夏にぴったり」
パリに住んでいたのにこのTarte au citronの存在は知らなかった。初めての出会い。 酸っぱくて、甘くて、苦くて、固くて、とろけて。
Cの発音がうまくできなくて、ギャルソンが発音指導をしてくれた。
プルーストはマドレーヌで思い出した。 わたしはTarte au citron. 小学生の時に鉄仮面を読んだっけ。 母が借りてくれた。
モンテクリストはここマルセイユからパリに進んだ。
青い訪問着。 マルセイユの思い出。 自分が描いたデッサンで世界で一枚の訪問着をつくる。
着物はオートクチュールだ。 自分が描いた絵が、友禅職人の手でえがかれて作品として生まれる。
こんな衣服が、文化が、この世に存在することを誇りに思う。

You may never wear a kimono. But you can wear the art of Wasai. On ne porte pas forcément un kimono. Mais on peut porter l'art du Wasai. — PASSIONEER

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