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À la recherche du temps perdu/Hajitomi, structural silence存在が作者から離れるとき

  • 執筆者の写真: Hamanaka Akiko
    Hamanaka Akiko
  • 3月12日
  • 読了時間: 1分

更新日:5 日前

自ートには、和裁の技術がふんだんに用いられている。実際に着物を着なくても、着物を仕立てる技術を身にまとうことは可能である。このコートは、そのことを物語っている。


表地に用いたのは置賜紬。紬は先染めの糸で織られるため表裏の区別がなく、単衣のコートには理想的な素材である。多少の雨に濡れても染みになりにくく、縮むこともない。

単衣のコートとして成立させるためには、裾に広がりが必要になる。洋服であればAラインに裁断するところだが、着物は直線裁ちで仕立てられるため、その方法は取らない。代わりに「まち」を入れて裾の広がりをつくる。


さらに、長い着丈を落ち着かせるため、裾には真綿を入れている。現在では本物の真綿を用いることは少なく、羽二重やさらしを薄く挟む程度の仕立てがほとんどである。しかしこのJFKコートには、真綿をたっぷりと詰めてある。裾を軽くつまむと、そのふっくらとした感触がはっきりとわかる。


張りのある紬の生地の中に、ふんわりとした柔らかさが潜んでいる。空気を含んだ真綿が長い着丈を静かに落ち着かせ、歩くたびに裾が風に揺れる。

まるで着物のように。


なんと優雅なコートだろう。


着物をきられなくても、和裁を纏うことはできる。


置賜紬で仕立てた和裁構造のコート

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