À la recherche du temps perdu — Combinaisonに長襦袢の生地を使う理由

長襦袢は下着に該当する。
洋装ならスーツの下でも、ワンピースの下でも。基本的に長襦袢だけで室内を歩き回ることはないと思う。
また、長襦袢に使用する生地に決まりはない。
母の襦袢をみると、縮緬、綸子、モスリン、麻、様々な素材で仕立てられているし、派手になった羽織を解いて仕立てられているものもある。

下着なのだから何をきていようが構わない!という考え方もあるし、その一方で、見えないところにこそこだわりたい!というのも日本人の美意識として根強い。
紺や茶の地味な着物の下から緋縮緬の長襦袢が見えたらドキドキするかもしれない。
長襦袢に使用する生地は綸子が最も一般的である。その理由は肌触りに尽きる。
素肌にまとった瞬間に、てれんとろんとした絹独特の触感。繻子織りによるものだ。よく滑るので重ねて着る着物に最適。平織りではこうはいかない。
綸子が光るのも、この繻子織りの構造による。
糸の交差点(組織点)が少なく、糸が長く表面に浮く。平織りは縦糸と横糸が一本ごとに交互に上下するため、糸の表面のあちこちで光が乱反射し、マットな質感になる。一方、繻子織りは、経糸が緯糸の上を何本も連続して跨いでから、ようやく一本くぐる。糸が長く水平に浮いているぶん、光がその滑らかな面全体でまとまって反射する。
絹糸自体も、断面が三角に近い構造を持ち、もともと光を美しく屈折・反射させる性質がある。この絹の性質と、繻子織りという構造が重なって、あの独特のヒカリが生まれる。

滑りが良く、光を纏う。だから綸子は、和装だけではなく現代の洋装にも十分通用する生地だと思う。
You may never wear a kimono. But you can wear the art of Wasai.
On ne porte pas forcément un kimono. Mais on peut porter l'art du Wasai.
— PASSIONEER



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